じんじんする日々

気をつけているつもりでも、その「つもり」が及ばないところで、じんじんは日常的に生産されてしまう

国際結婚のおそろしい「あるある」、改め「なしなし」

髪を切ってきました。

学生貧乏なのですが、散髪はケチらずに日本人美容師さんに担当してもらっています。

日本語を喋れる貴重な機会です。

今日も楽しくおしゃべりさせてもらいました。

しかし、なんか、俺って声量が弱いなというのが気になりました。

美容師さんとは鏡越しの会話で、向き合ってないから、その距離感や方向感のちがいで、声が相手の耳まで到達しなかったりしてしまう。

理由の一つは、喋りたい言葉が定まっていないで発生しているからだと思う。

俺の思考って、なんか単語単位でできているらしく、話しながらも次の言葉を探しているため、発話されている言葉に勢いが出てこない。

これは生来の心配性のために、一語一語、品質検査を行ってから出荷したがっているからかもしれません。だから、アルコールが入ってからは、声も大きくなるし、発話単位も長くなるのです。たぶん。

 

美容師さんとの会話は、ふたりとも同年代の子持ちということもあり、お互いに自分の子供のことを話して共感し合う、微妙なちがいを味わい合う、みたいなのが多いのですが、今日印象に残ったのは、ほかの子供の話でした。

今度三年ぶりに、嫁と子供を連れて日本に一時帰国をする予定があるのですが(楽しみ)、そのとき、仕事のある(そして日本に友達が少ない)奥さん一人を先に返し、私と娘が一週間長く滞在するというプランを立てていて、そこから、私の妻が抱えている(であろう)「夫が娘を拘束して戻ってこなくなるかもしれない」という恐怖についての話になりました。

これは国際結婚家庭のおそろしい「あるある」なのですが、配偶者に子供を連れて国外に逃げられてしまうと、法的拘束力が及ばないので、置いていかれた側は、場合によっては、泣き寝入りをするしかないということになってしまうということです(追記参照)。

最悪、二度と子供に会うことができない、という可能性もあります。

特に、うちの奥さんの場合は日本語をあまり理解できないので、日本に連れて帰られて、日本の土俵で論争や法的闘争や法的相撲を始めるとなると、非常にややこしいことになるでしょう。

しかも、相手が相手です。あれは一度敵に回すととんでもない嫌がらせをしかねないやつなのです。そういうところがあるんです。実は。

 

どんなに相手を愛していても、国際結婚で子供を授かると、その制度設計上、そういうことが心配になるものです。

そんなことを冗談交じりに話していたら、やっぱり美容師さんの友達の友達でもそういうことがあって、その人の場合は、日本にいる友達の結婚式のタイミングで脱走を図り、今なお日本で元旦那と離れて暮らしているのだそうです。

そういうことって本当にあるもんですからね〜

というようなことを言って、美容師さんとは、たまの日本語会話を楽しませてもらっています。

友達の友達の友達の話でした。

 

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(追記)

ブログに書くにあたって、一応、事実関係の確認をと思って、グーグルさんに聞いてみたところ、どうもこの悪夢は日本が2013年にハーグ条約を締結したことによって、一定の終焉を迎えていたようです。

ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約) を知っていますか?

親権を持つ親から子供を不法に連れ去った場合(犯罪です)、その実行者がたとえもう一人の親でも、両国の中央当局が連携プレーで問題を解決する約束になっているようです。

中央当局の合成隊は、「返還」と「面会機会の確保」のふたつに向けて、骨折りハッスルしてくれるそうです。

うちは元からそういう予定はなかったけど、これで妻も安心できるでしょう。今度、タイミングがいいときに教えてあげよう。

 

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