じんじんする日々

気をつけているつもりでも、その「つもり」が及ばないところで、じんじんは日常的に生産されてしまう

歯医者がいい日は、生きていることが素晴らしく思えてくる。

私の人生は最高だ、と思えた日でした。

たかだか、歯医者のアポイントメントが思い通りに運んだというだけで。

サンフランシスコ市内まで出かけなきゃならなかったのですが、昨年まで、市内で働いていたときのいきつけの歯医者に行ってきました。

そうしたら、ようやく、もとめていた施術をしてもらうことができたのです。

片道4ドルというので、日本円にすると八百円、九百円ほど余計にかかってしまうのですが、この気持ち良さ。代え難いものでした。

まず受付の人は、ハリウッド的な外見とかはありませんが、とてもフランクで声は大きすぎるくらいですが、頭が切れるし気持ちのいい対応をしてくれます。

保険のことで問題が出てきたことなど一度もありません。これは、隣に座っている人のおかげなのかもしれないのですが。

そして、いつも担当してくれているアシスタントの人が(正式な役職名はなんというのでしょうか)、愛想が良く、私のことを覚えていてくれてるし、仕事はきちっとしてくれるし、とても好感の持てる人なのです。

ここに帰ってくるまでに、3箇所の歯医者をまわることになりましたが、誰もこれだけのクリーニングをやってくれる人はいませんでした。

ディープクリーニングとか、エクストラチャージの話をせずに、労を惜しまずにゴシゴシ、ガリガリ掃除してくれる。

もう心底、頭が下がる思いです。

で、満を持して、先生のご登場。さばさばしていて、おしゃべりで、自分の仕事に情熱を持っているという感じの人です。

私のちょっとガタついている歯を矯正したいようなのですが、それを押し付けたり、断ったからといってあからさまに態度が悪くなったりしません。

いつか、やる気になったら、うちはそれが得意だから、やりましょうね。みたいな感じで対応してくれます。

これこれこれ。

これを求めて歯医者に通っていたんです。早く巡り会えてしまったせいで、普通のことだと思っていました。

先週撮ったレントゲン写真を、前の歯医者から転送してもらっていたのですが、「転送されてきたデータをステーションに持ってくるのが大変だから」という理由で、ささっと無料レントゲンを撮ってくれました。

人体への悪影響の可能性もあるにはあるのでしょうが、そこのところで難癖つけてエクストラチャージをせず、そんなの微塵も匂わせず、無料で融通してくれる心意気も嬉しい限りです。

これが普通のことじゃないか? なんて思える幸せ。

しっかり6ヶ月先の予約を入れて、舌先で綺麗になった歯のエッジを感じつつ、帰路につきました。

願い通りになって本当によかった。助かった。まだアメリカで生きていけそうです。