秋の真ん中、仲秋に句をひねる
娘のガラガラ声は、幸い、悪化することなく、少しではあるものの快方傾向にあることが見てとれました。
ずっと先延ばしになっていたのですが、今日は近所に住んでいる友達夫婦とのランチの約束をようやく果たすことができました。日本にいたときからの不思議な縁のあるお友達です。彼らに8月に行った旅行のあいだ、猫の面倒を見てもらっていたので、そのお礼のためのプレゼントを渡したいというのが主目的です。
近所で待ち合わせをして、街の中心部のほうへ一緒に歩いていきました。天気がよくて、朗らかな気分です。
途中、流行りのエレクトリックスクーターに乗った若者二人組のひとりが、道のデコボコにタイヤを取られてしまって派手にズッコケました。
しかし、ちょうど隣に芝生が広がっているような場所だったので、大回転したけれども、怪我の心配はなさそうでした。
あのエレクトリックスクーターは、タイヤが小さいので、道のデコボコ(これはたくさんある)にハマってズッコケてしまうリスクが結構高いんですよね。
「我々はあれをやるには歳をとりすぎている」
といって、笑いました。
高すぎる値段設定のドーサ(インド料理)を食べて、『孤独のグルメ』や『野武士のグルメ』の話をして楽しみました。
僕は前回来たときに、ドーサをヒィヒィ言いながら食べたのを思い出して、柄にもなくサラダを頼みました。15ドルくらいしました。
山盛りのサラダは、半分持ち帰ることになりました。あまり美味くなかったのですが、明日の昼ごはんもカバーできるなら、15ドルの衝撃も少しは和らぐというものです。
『孤独のグルメ』や『野武士のグルメ』で紹介されるような、素朴な日本の食事が食べられたら一番よかったのですがね。
さて、そんななんでもない一日を受けて、今日も一句ひねってみます。
いつか、蕪村の
百姓の生きて働く暑さ哉
飛尽す鳥ひとつづつ秋の暮
みたいなレベルに到達できる日を夢見たり、それは厚顔だからといって、夢見ないふりをしたりしつつ。
車列切れ 秋が陽だまり 呼び戻す
風はなし ビルの跡地へ 秋の蝶
そうか。もうバリバリの秋だったんですねぇ。