じんじんする日々

気をつけているつもりでも、その「つもり」が及ばないところで、じんじんは日常的に生産されてしまう

風邪引いて、『海辺のカフカ』

風邪を引いてしまった。

それでも洗濯だけはやっておいた。

夕食は、グリルドチーズサンドイッチと、ロースト人参と生姜のスープ。

 

『海辺のカフカ』村上春樹を読み返している。

初読かと思っていたが、ところどころ記憶に残っている場面があった。

ナカタさんが空き地で張り込みをするシーンとか。

しかし、下巻の中盤あたり、前回はここまで来る前に頓挫していたようだ。

記憶に残っている記述が出てこなくなった。

おっと、そうだ。

物語にベートーヴェンの『大公トリオ』というのが出てきたのだった。

せっかくだから探して貼り付けておく。

 


Beethoven: Piano Trio No 7 "Archduke" (Rubinstein, Heifetz, Feuermann) - I

 

「ルービンシュタイン=ハイフェツ=フォイアマンのトリオです。当時は『百万ドル・トリオ』と呼ばれました。まさに名人芸です。1941年という古い録音ですが、輝きが褪せません」

「そういう感じはするよ。良いものは古びない」

「中にはもう少し構築的で古典的で剛直な『大公トリオ』を好む方もおられます。たとえばオイストラフ・トリオとか」

「いや、俺はこれでいいと思う」と青年は言った。「なんというかーー優しい感じがする」

村上春樹『海辺のカフカ』下巻(p.210)

 

これだろう。

初めて聴いたけども、無声映画にぴったりな音がする。

5分目に差し掛かるところが特に希望に満ちて優しく、

7分目に差し掛かるところがあやうくディープであるように感じた。

 

読書スピードは早くないので、『海辺のカフカ』、今日はきっと読み終わらないだろう。

これを読み終わったら、英語での読書に挑戦してみようかと思っている。

新しいお気に入りの本に出会えることを期待して。

 

海辺のカフカ 全2巻 完結セット (新潮文庫)

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